俺の言葉・俺の心⇔君の想い・君の言葉

 自分の事や日常の物事を誰かに伝えるのは難しい。
 それぞれの単語には意味があるが、それは人によって捉え方が違う。自分が良い意味で言った言葉も、ある人が聞けば単なる嫌味にしか聞こえない事もある。

 俺は説明が下手だ。自分が扱ってる保険の内容も頭では理解しているが、それが口から出てこない。
 俺は伝えるのが下手だ。思ってること・言いたいことはたくさんあるのに、心と脳の間で上手く変換出来ないでいる。

 俺は人と話をするのが嫌いだ。物心ついた時から右耳が全く聞こえず、人と話をすると相手の声が聞こえない事が多い。俺は小さい頃から人と話し中によく聞き返した。相手は『自分の話をちゃんと聞いてない』とか『何度も聞き返されてイライラする』と感じるのだろう、最終的には呆れるか怒るかどっちかが多い。子供の社会だからなおさらだ。耳が聞こえないと説明しても「どうして?」とか聞き返されるのがオチだったし、珍しいものを見るような目で見られる事もあった。だから俺は人と話をするのが嫌いになった。相手の顔色を伺う性格に育った。いつの間にか『俺は人が嫌い・一人でも何とかなる』と自己暗示をかけてしまったのだろう。まぁ方耳聞こえない人間なんてたくさんいるし、それ以上に大変な人なんて数億はいるだろう。このコンプレックスを打開する器量のない【俺】という人間の言い訳です。
 まぁそれだけでも可能性の幅はずいぶんと狭まるもんだけどね。



 人間、一人で生きていく事なんて出来る訳ないよな。そうだよね?俺の大切な君。