淘汰されるもの

 日本の人口は、面積や地下資源・経済状況から見ると5〜6000万人が適当だと、以前どこかの記事に書いてあった。今現在、約1億2700万人。倍近く人間があふれている事になる。冷たい言い方をすれば2人に1人はイラナイ人間という事になる。
 必要とされる人間は、他人より秀でた運動神経を持つスポーツ選手、大勢の人間を魅了することができるカリスマ性を持ったタレント・作家、堅実かつ奇抜な戦略で社会を引っ張る経済人、他人に真似の出来ない技術を持った職人達などである。彼らの代わりになる人間などいないからこそ求められる。
 では代わりになる人間がいくらでもいる俺はどうすればいいのか。答えはシンプルかつ非情。弱肉強食という自然界の法則のままに消えていくだけだ。持って生まれた能力など無い、伸ばすべき才能も魅力も無いのだから当然だ。
 こういう話をすると必ず誰かが「君の代わりになる人間なんかいない」と言う。SMAPの曲『世界に一つだけの花』でも「もともと特別な Only one」と歌っている。だがそれはただのキレイゴトにすぎない。社会という暗雲の中では単なる幻想だ。
 今の時代、日本人の大多数は苦しんでいる。ホームレス、ニートと言う言葉が日常的に使われ、社会は崩壊している。俺は経済的に一番大変な時代に大人になってしまった。この不景気を作り出した【かつての大人達】は責任など取ってはくれない。医療費と国の借金だけ押し付けて隠居してしまっている。

 俺には運動能力も、演技力も、文才も、技術も、話術も、カリスマ性も何も無い。だから淘汰されて当たり前なのである。
 今、真面目に生きてきて後悔している。